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月刊放送ジャーナル バックナンバー


ミニコミとマスコミの総合誌

2015年3月号 

特集 動きだした新A帯ワイヤレスマイク







《≪トップインタビュー≫
□法人化し特定ラジオマイクの運用連絡調整機能を強化
~特定ラジオマイクの新周波数帯移行を実務面で支援~
        一般社団法人 特定ラジオマイク運用調整機構 理事長 田中章夫 氏



 ワイヤレスマイクは我々の周りでも、学校や会社等の行事やイベント、カラオケ、地域のお祭り等で幅広く使われているが、コンサートや大規模なイベント、演劇、番組収録等に業務用として使われているプロ用のワイヤレスマイクは特定ラジオマイク(A型ワイヤレスマイク)と呼ばれ、所有して運用するには、総務省から交付される陸上移動局の無線免許が必要となる。また、運用にあたっては、ユーザー同士の運用連絡・調整等によって、電波障害を起こさないようにすることが義務づけられている。
 その特定ラジオマイクの運用連絡・調整の中心となるのが一般社団法人 特定ラジオマイク運用調整機構、通称・特ラ機構である。任意団体の特定ラジオマイク利用者連盟(通称・特ラ連)として、平成2(1990)7月に発足してから一貫して総務省、放送事業者、他関係団体と連携を取りながら運用調整業務を行なってきた。現在では、年間30万件の運用調整を少数精鋭のスタッフで行っている。
 現在、A型ワイヤレスマイクは、住み慣れた800MHz帯から、ホワイトスペース帯、特定ラジオマイク専用帯、1.2GHz帯の新周波数帯への移行という重要な局面を迎え、特ラ機構の役割も、ますます重要度を増している。
 同機構のこれまでの経緯や活動について、一般社団法人 特定ラジオマイク運用調整機構理事長の田中章夫氏にお話をお聴きした。


□□2015年は新周波数帯への移行がいよいよ本格化へ
 ~各社から新製品が登場する新周波数帯A型ラジオマイク~編集企画部

A型特定ラジオマイクには、放送局のFPUの緊急報道用の4cである770806MHzが割り当てられていた。しかし、このところのスマートフォンの急速な普及に伴い、移動通信サービスにおけるデータ通信量は急激に増加しており、今後も更なるデータ通信量の増大が予想されていることから、ひっ迫する移動通信サービスの周波数を確保するため、総務省は700MHz帯を再編し、既存無線局「FPUおよび特定ラジオマイク」の周波数移行と移動通信サービスへの当該周波数帯の割り当てを決定した。
そして、新たに電波を使用する者として、携帯電話事業者4社(NTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー、ワイモバイル)が認定された。そして、携帯電話事業者4社は、特定ラジオマイクユーザーとの対応窓口として『一般社団法人700MHz利用推進協会』を設立し、円滑な周波数移行に向けての活動を行なっている。



≪時局インタビュー①≫
□デジタルワイヤレス開発の長年のノウハウを製品に盛込み
 ~高音質、低遅延、多チャンネル運用等を実現した商品展開~
ソニー㈱イメージング・プロダクツ&ソリューションセクター
プロフェッショナル・ソリューション事業本部
コンテンツクリエーション・ソリューション事業部4部統括部長 村上佳裕 氏

 ソニーは、電波法改正に伴う新しいワイヤレス周波数帯域に対応した、放送局や劇場・ホール向けのデジタルワイヤレスマイクロホンシステムとして、送信機であるマイクロホン本体(手持ちマイクロホンタイプ「DWM-02N/ボディーパックタイプ「DWT- B01N」)と、音声受信機「DWR-R02N」、アンテナ及びその周辺機器や専用ソフトウェアなどで構成されたシステム製品ラインナップを開発・商品化、201312月から順次販売を開始した。
新商品は、デジタル伝送ならではの高音質に加え、同社が業務用マイクロホン市場で培ってきた高周波伝送技術と、デジタルオーディオ技術を搭載し、プロが求める「原音に忠実な音」を再現。加えて、マイクロホン使用毎に設定が必要な各種パラメータを、2.4GHz帯を用いて受信機から各マイクロホンにワイヤレスで送るリモートコントロール機能「クロスリモート」を搭載、同機能は同社唯一のもので、各国で高い評価を得ている。 同社のワイヤレスマイクへの取り組み、今後の展開についてソニー㈱プロフェッショナル・ソリューション事業本部コンテンツクリエーション・ソリューション事業部4部統轄部長の村上佳裕氏にお話をお聞きした。
                 

      



□1.2GHz帯に絞り低遅延、高音質、強力な妨害波対策を実現
 ~4系統ダイバシティや周波数ダウンコンバート等の技術も搭載~
パナソニックシステムネットワークス㈱セキュリティシステム事業部
サウンドソリューション事業グループ 五味 貞博 氏
グローバルソリューショングループマーケティング統括チーム  小島 正美 氏


    

パナソニック システムネットワークス㈱は、A型ラジオマイクの新周波数に対応したRAMSAシリーズの1.2 GHz A型デジタルワイヤレスマイクシステムの販売を昨年(2014)3月から開始した。
発売された1.2 GHzA型デジタルワイヤレスマイクシステムは、同社がRAMSAシリーズで従来から培ってきたワイヤレスマイク技術をベースに、デジタル方式でありながら低遅延設計と多チャンネル運用を実現したもので、設備用途(固定設置・移動)や屋内外等、幅広い運用に対応できるラインアップを揃えている。
 製品開発の経緯、製品の特徴とラインナップ、今後の展開について、パナソニックシステムネットワークス㈱ セキュリティシステム事業部 サウンドソリューション事業グループの五味貞博氏、グローバルソリューショングループ マーケティング統括チームの小島正美氏にお話をお聞きした。



□OFDM方式を採用した高音質・低遅延のワイヤレスマイク展開
 ~非圧縮24ビット、1ms以下の低遅延で大きな差別化を図る~
  ㈱タムラ製作所       執行役員 ブロードコム事業部長    舞木孝一郎 氏
     営業統括部東日本営業グループ営業2グループマネージャー    鈴木隆弘 氏

㈱タムラ製作所は、ARIB(電波産業会)で標準化されている『OFDMデジタル方式特定ラジオマイクの伝送方式』を採用したデジタルワイヤレスマイクシステムをNHKの指導により開発、昨年11月のInterBEE2014で発表した。
 新製品は、新A型周波数帯の1.2GHz帯に対応したもので、OFDM方式のデジタル伝送方式を採用したことにより、より高い多くの伝送情報量を伝送可能とし、非圧縮による高音質、低遅延、マルチパスに対する高耐性を実現している。InterBEE2014で発表されたのは、ハンドヘルド型デジタルワイヤレスマイク『TWO-H120』、ボディパック型デジタルワイヤレスマイク『TWO-T120』、2ch実装1Uタイプのデジタルワイヤレス受信機『TWO-R120』の3機種のラインナップで、本年6月頃の発売を目指している。
 新製品開発の経緯、製品の特徴、今後の展開等について、㈱タムラ製作所執行役員ブロードコム事業部長の舞木孝一郎氏、営業統括部東日本営業グループ営業2グループマネージャーの鈴木隆弘氏にお話を伺った。 



       


第2特集 ポストプロダクションの最新動向


JPPA2回ファイルベースワークフロー補完セミナー】

□ ポストプロダクション向けファイル収録の基礎
~基本と用語解説、LOGとLUT、デイリー等を説明~
                                          編集企画部

       

JPPA=一般社団法人日本ポストプロダクション協会は122日、東京・西麻布の富士フイルム西麻布ホールで『第2回ファイルベースワークフロー補完セミナー~ポストプロダクション向けファイル収録の基礎~』を開催、定員一杯の240名が参加した。
 1部は『ファイル収録の基本と用語解説』をテーマに、『カメラ収録フォーマットの違い』、『LOGLUTの基礎講座』、『デジタル・デイリー概要』の3つのテーマの講演が行なわれた。そして、休憩を挟んで第2部では、デジタルシネマカメラを使ったメーカー各社によるポストプロダクション向けプレゼンが行なわれた。
 参加メーカーは次の通り。①AJA CION(㈱アスク)、②ARRI(㈱ナックイメージテクノロジー)、③URSA(ブラックマジックデザイン㈱)、④EOS C500(キヤノンマーケティングジャパン㈱)、⑤VARICAM35(パナソニックシステムネットワークス㈱)、⑥EPIC(レッドディジタルジャパン㈱)、⑦ソニー(ソニービジネスソリューション㈱)。さらに会場では、最新カメラの展示も行なわれた。



JPPAポストプロダクションデジタル技術スキルアップセミナー】
4K・規格の現状と放送への取組み
~4K規格は2部構成、4K放送・撮影の利点と課題~
                 
                                    編集企画部

JPPA日本ポストプロダクション協会は2月5日、第8回JPPAポストプロダクションデジタル技術スキルアップセミナー『4K・規格の現状と放送への取組み』を開催し106名が参加した。

セミナーは4Kの規格説明、4K放送開始に向けた現状と準備、各ポストプロの4K撮影現場をテーマに3部構成で行われた。

4時間半に渡る長丁場となったが、各講演後に積極的に講師に質問する参加者の姿も見受けられ、4K放送へ向けた貴重なセミナーとなった。以下にセミナー内容を紹介する。







  松竹映像センター、台場に設備を集約した           
               ポストプロダクションセンター稼働
      ~広々とした設計と映画会社では日本初のMAM導入~
    

㈱松竹映像センター  ポストプロダクション部部長兼ブッキングコーディネーター 川瀬功 氏

メディア・アセット・マネジメント部部長 五十嵐真 氏



㈱松竹映像センターは、大船、築地、高輪台に分散していた拠点を統合し、東京・ 台場のお台場海浜公園駅に隣接した台場ガーデンシティビルの1階と7階に新しいポストプロダクションを開設、20151月から本格的運用を開始した。

新生『松竹映像センター』は、音響製作では、松竹大船撮影所で多くの名作を生み出してきたDubbing Stage』をスケールアップ。映像編集では共有ストレージによるデジタルネットワークを構築して、リアルタイムで高いパフォーマンスをサポートする作業環境を実現している。また、新たな取組みとしてMAM(メディア・アセット・マネージメント)システムを導入し、旧作のデジタルリマスター製作に加えて、様々な映像作品のカタログ化やデジタル修復・ 保管・ 管理サービスを提供し、旧作の効果的な再活用を支援していく。



□ IMAGICA、銀座7丁目スタジオに『BOX』を開設
~CG、コンポジット、MAを集約したVFXルームに~
                                           編集企画部


㈱IMAGICAは、銀座7丁目スタジオ8Fに、大規模VFXルーム『BOX』を新設、29日から運用を開始した。『BOX』は、コンポジット、CGデザイン、ファイルエンコード、サウンド等のポストプロダクション業務において必要な作業を行なう、それぞれのスペシャリストが存在し、この空間でコラボレーションし、その作品に適した人財を配置して多種多様なワークフローを構築することにより、スピーディかつクリエイティブにクライアントの作品に対し最大限のクオリティ追求を可能とする《夢の箱(BOX)》として銀座7丁目スタジオに設置したもの。
 BOXは広いオープンスペースに、コンポジット、CG、サウンド、各セクションリーダー、営業の5つの大きなブロックに分かれ机が並ぶ空間とマシンルームで構成されている。



㈱グッド・ジョブ、大阪に4K60P対応編集システム完成
~F65・F55撮影からPabroRioフィニッシングまで

                                            編集企画部


 
 ポストプロダクションの㈱グッド・ジョブ(大阪市北区・東京都中野区、代表取締役=小林弘典)は、大阪の編集スタジオに4K60P対応の編集システムを導入し、2014年の秋より運用を開始している。また、2月12日(木)・13日(金)・14日(土)には、会社設立以来初めてとなる内覧会を開催し、100名を超える見学者が訪れた。
 先がけて撮影機材、ソニーCineAlta 4KカメラのF65RSとPMW-F55(Aluraズームレンズ)も導入。4Kの一貫したワークフローを構築し、真の4Kの流れを作ろうと挑戦するグッド・ジョブを取材した。
          



ヨコシネ、渋谷に2室目のノンリニア編集室稼働
~2台のアビットを設置して迅速な編集作業を実現~
                                                
                                             編集企画部


 ㈱ヨコシネディーアイエーは、東京・ 渋谷のビデオフィルムセンター内にノンリニア編集室『EDIT-2』を完成212日に火入れ式を行い、運用を開始した。新編集室は、リニア編集システムの老朽化によりシステムを更新したもの。更新にあたっては、1年前から運用を行なっているノンリニア編集室『EDIT-1』と同様の設備とすることにより、編集室の効率的運用を図っている。これにより、渋谷のビデオフィルムセンターはオンラインのノンリニア編集室2室、リニア編集室1室、ハイブリッド編集室1室およびMA2室の陣容となった。
 完成した『EDIT-2』の設備は、既設のEDIT-1と同様、ノンリニア編集システムのメインにアビッドのナイトリスDX 7.04シンフォニーオプション、サブにメディアコンポーザー 7.042式のノンリニア編集システムを設置。メインのナイトリスで映像の編集・加工・色調整等の作業を行なうのと並行して、サブのシステムでメインのタイムラインに沿ったテロップ作業を行い、完成時にメインのシステムから書き出されたベースバンド信号に、テロップをミックスして完成するもの。


 東京現像所、虎ノ門試写室をデジタル化しリニューアル
                        レンタル業務を本格的にスタート
               ~アクセス便利、ロビーもゆとりの設計~


㈱東京現像所                      映像本部映像部長 西野克治 氏
            映像本部映像部デジタルシネマ課長兼DCP制作コピーグループ長 高橋洋平 氏

㈱東京現像所は、昨年12月1日より虎ノ門の試写室をデジタル化し、リニューアルオープンした。
 虎ノ門試写室は、映画用の字幕チェックのための試写室として日比谷の東宝内に設置していたものを、ビルの建て替えにより、2005年に虎ノ門に移転した試写室である。
当時はフィルムがメインであった為、フィルム設備を整えていたが、2年ほど前からフィルムの仕事が減少するとともに試写室の需要が落ちてきた。
昨年春より、幅広い活用を考えデジタル化を決定し、デジタルシネマ設備を導入した。今後は、新たに幅広いレンタルビジネスの展開をはかる。





■連載/変貌する世界のメディア〈412・最終回〉
 ディレクTVの4K映画VOD配信・・ 片方善治
■連載/クローズアップ!地域発信番組〈第166回〉
 メディアの信頼回復への橋頭堡
 ~TBS報道現場の“意地”~・・・田原茂行
■連載/地デジ本格稼働~放送と通信の連携に向けた時代〈第88回〉
 活性化する「放送のネット配信」・・・・西 正

オフビートな足音〈92〉 
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